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2010.11.19

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ヨシ・タツ選手 ユークス来社記念インタビューを掲載しました。

2010年10月某日。
WWEスーパースターのヨシ・タツ選手が、WWE.comの取材のために、ユークス開発室を訪れました。
スーパースターが開発室に来てくれた!というだけでも大事件なのですが、
せっかくヨシ・タツ選手が来てくれたなら聞いてみたいことがいろいろあります。
そこで取材後の時間に、ゲーム開発スタッフからヨシ・タツ選手にインタビューさせていただけないかお願いしてみたところ、
ご快諾いただきました。
インタビューは、ユークスのスティールケージ型会議室でおこなわれました。
いろいろ興味深いお話を聞かせていただいたので、ぜひ日本のWWEファンに読んでほしいです。

ヨシ・タツさんはユークスの谷口とお知り合いなんですよね?

Yoshi Tatsu
2ヶ月程、フロリダの谷口社長の家を貸していただいたんです。
フロリダのタンパに遠征したとき、最初の1ヶ月くらいはいろんなレスラーの家を転々としていました。
でも、だんだんそれも難しくなってきた頃に谷口社長が、僕が住むところに困ってることを知って声を掛けていただいたんです。
社長のお宅はちょうどタンパから車で1時間半くらいのところだったので、じゅうぶん通える距離です。
なにか運命的なものをかんじています。

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谷口がなにかご迷惑かけたりしなかったでしょうか。。おもにお酒関係で。。

Yoshi Tatsu
いや、とんでもないです。僕のほうが迷惑かけまくってしまって。
お借りした車をぶつけちゃったんですよ。
しかも、そのとき水道管も破裂させてしまって。
その節はホントに申し訳なかったなと。

本日は丸一日、WWEゲームの開発を見ていただいたわけですが、いかがでしたか?

Yoshi Tatsu
ゲーム開発というと、パソコンに向かって孤独に仕事をするイメージがあったんです。
でも、実際来てみたら、ものすごく仕事場全体が明るいですね。雰囲気のいいところだなと。
それにみなさん、すごく仲が良いですよね。うらやましく思いました。

ゲーム画面上のご自身を見てどう思われましたか?

Yoshi Tatsu
すごい似てて、ちょっと引いたって言うか。。
あまりにも細かく表現されているので、コスチュームも動きも、もっと細かい部分まで気を付けないといけないと焦ってしまいました。
なんでもそのまま再現されてしまうし、ゲームにも影響してしまうのが怖いとおもいました。

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僕の試合コスチュームには何種類かあって、その中のひとつが、左右で赤と白のツートンになっているタイツなんです。

そして、小さいことなんですけど、そのツートンのタイツのときにはキックパットを止めるゴムの色も左右で赤と白に変えているんです。
ゲーム用の写真撮影のときは白いタイツだったんですけど、
キックパットのゴムはあまり気にせず赤と白のものを使ってしまったんですね。
ゲームを見てびっくりしましたよ。ちゃんとそのまま左右のゴムの色が違って再現されている。
「うわぁ、やっちゃった!」っておもいました。
次回の撮影のときは、僕も細かいところまで気をつけますよ。
ゴムの色までちゃんと合わせます。

WWEでデビューされたとき、どんな気持ちでしたか?

Yoshi Tatsu
WWEには、テレビ放送されないダークマッチというものがあります。
デビュー前の選手は、このダークマッチで何回か試合をしていくうちに手ごたえを得るというか、
だいたい自分がいつ頃デビューするのか予想できるんですね。
ところが僕はダークマッチを1回もしなかったんです。
初めてロードに参加した日の朝、会場入りして他の選手たちに「今日俺ダークマッチあるかなあ」って話してたんです。
みんなは、「いや、1回目のロードでダークマッチはねえだろ」、「試合観るだけじゃない?」、
「とりあえずみんなにちゃんと挨拶したほうがいいぞ」なんて話をしてたんですね。
蓋を開けてみれば、ダークマッチどころかデビュー戦が組まれてたんです。
突然だし、その後はなんだかずっとフワフワしたかんじでした。
試合のことを覚えてないワケではないんですけれども、ぜんぜん現実感がないというか、夢の中にいるような。
とにかくすごく変なかんじでした。
むしろ、試合が終わってからだんだん怖くなってきましたね。

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WWEに入ってご自身の中で変わったことってありますか?

Yoshi Tatsu
変わったというよりも自分で変えたんですけれども、本当にギリギリまで練習するようになりました。
ギリギリまで自分を追い込んだ練習っていうことですね。
WWEは世界最高峰の舞台だし、実際どの選手もすごく練習してるんですよ。レベルが高いんです。
しかも娘が生まれたばかりで、全てがやらざるを得ない状況になっていました。
全てを変えようとしたし、変わったと思います。
日本でやっていた時は、まだ自分を追い込めてなかったなとおもいます。
今は後悔だけはしたくないという気持ちです。
寝る前、「今日はどうだっただろう?」と思い返したときに後悔がない、っていうのを目指してやっています。

影響を受けたスーパースターはいらっしゃいますか?

Yoshi Tatsu
強いて言うならエディ・ゲレロです。
僕が新日本プロレスに入門して、まだデビューする前の2002年、ちょうどエディ・ゲレロが新日本プロレスに参戦していて、
その時に少しだけ面識がありました。
その後、エディはWWEに戻ったんですが、WWE日本公演の時に新日本プロレスのレフェリーの方にあらためて紹介していただいたんです。
その時に話をして、
「お前は日本人にしては背があるし、頑張れば上に行けると思う。いつかWWEのトライアウトを受けてみな」
みたいなことを言われたんです。
失礼な話なんですけれども、僕は元々「WWEに入りたくて入りたくて仕方がない」というレスラーではなかったんです。
つまりWWEというのは完全に夢物語の世界で、自分が「入りたい」とか考えちゃいけないところだ、と思ってました。
でも、そのエディの言葉からWWEを意識し始めました。
エディの言葉がずっと頭の中にあって、自分もそういうところに立つことを考えていいのかな、と思えるようになったんです。
きっかけのきっかけのきっかけ位のことですよね。でも、間違いなく僕が影響を受けたスーパースターです。

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8月の両国大会についておしえてください。
1日目、クリス・ジェリコ選手が入場してくるとき、ヨシタツ選手はずっとファイテイングポーズを取っていましたね?

Yoshi Tatsu
あのときはすごく集中していました。
相手のジェリコしか見えていなかった。
ほかに気を配る余裕がなかったと言ってしまえば、それまでなんですけれども。

試合の終盤で、WWEではあまり使っていないバックドロップを出しました。

Yoshi Tatsu
そうですね。あれはWWEでは禁止の技なんです
ああいう角度で落とすのは本当はやっちゃいけない。
WWEに入った頃、この技を使いたいとオフィスの人に相談してみたら、
「絶っっ対使うなよ」って言われたんで、WWEでは1回も使ってなかったんです。
だから実はあの試合後、僕は怒られてるんです。
確信犯だったんです。
お咎めがあってもいいや、みたいな。
あのときはそれを曲げたくなかった。
うん、あれは確信犯です。

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試合後に感情を爆発させていた1日目に対して、2日目はまさにメインイベンターという印象でしたが、ご自身の意識は違ったのですか?

Yoshi Tatsu
自分では、そんなに変わったとは思ってないんですけれども…、あ!でもエージェントにも同じこと言われたなあ。。
2日目の試合後に、「すごく自信を感じる、それがこっちまで伝わってくる試合だった」ってエージェントに言ってもらえたんです。
まずメイン戦だということが違うので。たしかに自分の中でも、それに相応しい試合をしなければっていうのはありました。
それに、ジョン(シナ)の足を引っ張っちゃいけないな、という気持ちは強かったですね。
1日目の試合っていうのは僕が負ければそれで終わりの試合なんです。
でも、2日目はタッグマッチでしたから自分ひとりの問題じゃないですよね。
パートナーのジョンの顔に泥を塗りたくないという気持ちがあって、そこはたしかに意識が大きく違いました。

試合後にジョン・シナ選手と話しましたか?

Yoshi Tatsu
あの2日目、僕はプロモ(マイクアピール)を用意していたんです。
もし試合に勝ったら英語でプロモをしようとおもって、じつは試合前にジョンに相談したんです。
「勝ったらこのプロモやってもいいかな?」って。
ジョンは、「YOSHI、そもそもプロモって、何のためにやるかわかるか?」って、逆に聞いてきました。
僕は「伝えたいメッセージがあるからだ」と答えました。
するとジョンはこう言ったんです。
「そうだ、お前の答えは合ってる。俺たちは何かを伝えたいときにプロモをやるんだ。
いいか?お前は昨日ジェリコとすごい試合をやった。あのすごい歓声を聞いただろう?
そして今日は俺と組むし、相手はジェリコとシェイマスだ。100%すごい試合になることは、もう確実なんだ。
昨日のセミですごい試合をした。今日のメイン戦でもすごい試合をする。
これこそが、すごいメッセージじゃないか。これ以上なにか伝えたいのか?」
それを聞いてプロモはやめたんです。
試合後、ジョンに「すごくいい試合だった」って言ってもらいました。
そしてあらためて、「どうだ?YOSHI、プロモやったほうがよかったか?」って聞かれました。
「いや、ジョンの言うとおりだった」と答えました。

最後に、日本のWWEファンにメッセージをお願いします。

Yoshi Tatsu
日本公演のあと、体に湿疹が出てしまったり、なかなかテレビに出られなくて、自分でも焦りや心苦しい部分がすごくあります。
でも、一方で自分は絶対に日々成長していると確信もしています!
長い目で見ていただけたら、我慢強く応援していただけたらな、とおもいます!

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ヨシ・タツ選手、ありがとうございました!